楽家一子相伝の芸術京都展

楽家初代長次郎の茶碗は「今焼き」と言われ、それまでの唐物茶碗に対しての革命だったに違いない。それから一子相伝でまもなく16代を迎えようとしているが、各代とも先代から直接教えるということはしないのが伝統だそうだ。楽家を引き継いだ人が、それぞれゼロから自分なりの楽を生み出してきたのが楽家の歴史ということである。

 

楽の茶碗を第一とする千家の流儀ではない私にとっては、確かに代々それなりの新しさがあるとは思うが、楽という型がある。だから同時に展示されている光悦の茶碗にほっとするものがある。のびやかで自由な心が感じられるのだ。しかしながら光悦は一代で終わり、2代、3代と受け継がれることはなかった。