折々のことなど2
お菓子のいただき方
主菓子のいただき方が美しくなくなっている、という指摘に、意識したことがなかったと思いました。
菓子切りで切る時は、上から下へ押して切るのではなく、向こうから手前に引き切るように、菓子にさすときは上からではなく、手前から手なりに。
言われてみればその通り。気をつけよう。
泡茶事(2023年8月20日)
謎の「泡茶事」にお招きいただきました。
シュワシュワの飲み物がいただけるお茶事とのこと、楽しみに伺いました。
異様な猛暑の続く今年の夏ですが、寄付きには涼やかな滝の絵が。滝がいつのまにか雲の中に紛れてしまうような、または大河になってしまうような、空になってしまうようなお軸でした。
軸は立花大亀和尚の雄渾なお筆。書院の床にふさわしいような大きさですが、リビングの作り付けの家具の部分を上手に使って掛けられていました。空間の制約があまりなく大きなものも十分に生かせていると思いました。
向付はタイ、汁はズッキーニ。シュワシュワにそなえてバカラのグラスが載せられていました。向付の器はおそらく明治ころの染付。
煮物椀はエビ真薯、またお椀が古い蒔絵で絵替わり。蓋の裏と高台の中に小さな合印になるような絵が描かれています。私の蕨のようでした。深くたっぷりとした形は現代にはほとんどありませんね。
その後シュワシュワが続きその後は写真を撮るのも忘れて、ご亭主や同席の皆さんとのお話が弾みました。
主菓子はお手製の水ようかん。
またまた素敵な器で登場です。
懐石は立礼でしたが、後座は畳の部屋へ移動。
光悦の花の絵、蝶の香合でお迎えいただきました。
お道具好きの正客と亭主でお話が弾みました。主茶碗は山田山庵の赤楽、茶入れは鈍阿、非常に繊細な金襴の仕服が添っており、ご亭主がルーペを用意してくださって裂地を拝見しました。
盛夏に(2023年8月5日)
点心と薄茶2服の会にお招きいただきました。
軸は力強い一行物「清流間断無」、蝉籠になでしこ、沼虎の尾、縞ススキがすっきりと入れられていました。
点心は川崎のえん想さん、お膳をまた取りに来ていただくのは大変だからとのお心遣いから、曲げのお弁当箱に詰めていただいたとのこと。
小さい中にぎっしりと美味しいものが身を寄せ合っていました。なかでも型抜きした冬瓜の煮物にしっかり味が浸みて、お店だったら作り方を教わりたいと思いました。
煮物椀は焼き鮎と卵豆腐の上にタラコのような魚卵をたくさん乗せたもの。これも作り方を知りたい。
酒器はかわいいデカンタとグラスで日本酒をいただきました。
主菓子は竿物(名前等忘れました)、お干菓子は全国からのお取り寄せで4種も。
波頭の透かしの入った荒磯棚、千鳥の鋳出されたお釜、ほっそりとした水指は中村翠嵐だそうで、白い翠嵐は珍しく、涼し気でした。香合は青海波の描かれた貝製、蓋置は内側に鉄線の描かれたガラス製。
外の猛暑とは打って変わって、夏のさわやかなひと時を堪能しました。
お取り寄せの干菓子の数々。
左からせせらぎ(京都・甘春堂)、江での月(富山県高岡市・志の原)、星のしずく(愛知県半田市・半田松花堂)、季子ごよみ(松江・三栄堂)
最初は平茶碗で洗い茶巾、替茶碗はガラス、洋食器の見立て、海外のものなど、季節に合わせた取り合わせでした。
石州流野点席(2023年5月21日)
六義園で石州流の野点があるというので出かけてみました。
予約なしで無料です。通りすがりの方、外国からの観光客の方など、気軽に楽しめます。
ちょっと汗ばむくらいの陽気でしたが、大きな木の木陰で、風が爽やかでした。
石州流伊佐派では馬上杯を使うそうです。出陣の時、馬上で片手で茶碗を持って飲んだとのこと。点て出しの数茶碗もすべて馬上杯でした。
お菓子は六義園の焼き印のある人形焼。紋付袴姿の男性が点前とお運びです。
お茶会の終了後も気軽におしゃべり。
志のある方は公園管理のための寄付をして。
六義園では和アジサイが咲き始めたとのことで、行ってみました。アジサイも様々な種類があるのですね。