瀬戸内国際芸術祭2019

瀬戸内国際芸術祭2019

 

3年に一度の芸術祭。以前一度行った豊島美術館にもまた行きたくて、高松へでかけました。

 

内藤礼の作品ひとつだけの美術館だが、中で過ごす時間がなんともいえない。小さな水の塊が生き物のように動き、風を感じ、青空を背景にした大樹を眺めながらぼーっとしていると、ウトウトしてしまう。横になってしばらくお昼寝。美術館は海が見えるなだらかな山の斜面で、ロケーションも素晴らしい。周りには棚田もある。以前来た時は3月半ばでまだちょっと寒い時期で、中でのんびり時間を過ごすという感じではなかった。残念。海の色もこれほど美しくなかった。

 

GWも終わった日だったので来館者もほどほど、横になってお昼寝する人、瞑想してるような人、話す人もほとんどいず、静かで豊かな感じの空間だった。

 

 

豊島以外は沙弥島、女木島、男木島へ。男木島の「波打ち際にて」という作品は九谷で焼かれた繊細な花や蔓を、窓から海の見える部屋にディスプレイ。繊細な作品を九谷から運んだとのこと。まるで網を広げたような感じがした。

 

猫は作品ではありません。男木島は猫の多い島だったが、おじさんに棒で追い払われていた。よそ者の私たちはかわいそうと思うが、おじさんに言わせると悪さをするらしい。

 

非常に印象的だったのは豊島の「ささやきの森」。1キロくらい山を登る。その先の林の中でたくさんの風鈴が優しいささやくような音を奏でる。「心臓音のアーカイブ」と同じ作家だが、心臓音とは対照的な繊細な音だ。

 

同じく音の作品・男木島の「アキノリウム」。竹のサウンドオブジェ。さまざまな音を出す竹。叩くもの、弦を打つもの、空気を吹き入れるものなど、いずれも異なった音色だがささやかで優しい。さまざまな音の重なり合いに心奪われる。