2017年後半の日々

2017年12月29日

 

年末も押し詰まった29日、夜咄を行いました。

 

久々に来て下さった方々もいて、ろうそくの火を共に楽しんでいただきました。

 

軸は「千秋楽」 今年ももう2日を残すばかりのお忙しい中、来て下さったお客様に感謝です。

 

まだ暮れ残る中で、前茶として薄茶を差し上げます。

 

我が家からはシルエットとなった富士山の方に夕陽が沈むので、その光景も楽しんでいただきました。

 

焼物好きのお客様が、ご自身のコレクションをお持ちくださいました。

 

現代作家のユニークな酒次ぎとぐい吞みの数々。一つ一つについてのお話も楽しく、選ぶのも迷いました。

 

和ろうそくならではの芯切りも、皆さんにも順番にやっていただきました。

 

硬い灰のような不思議な感触は、実際触ってみないと分かりませんね。

 

炎が揺らぐと壁や障子に影が動きます。昔、手で動物の影を作ったことを思い出して、影絵をやってみたりしました。

 

主菓子はカブ、干菓子は黒豆の羽二重餅と戌の干菓子。

 

 

わずか2本のろうそくでのお茶事は、明かりのありがたさを感じます。室内ですとあまり感じられないかもしれませんが、手あぶりのかすかな温もりを、とても暖かく感じるのが夜咄だと思いました。

 

今年も終わります。充実したうさぎの会を重ねることができましたのは、来て下さったお客様のおかげでした。

 

また来年も、良い会をつづけていきたいと思っています。ありがとうございました。

 

2017年12月10日

 

12月は久しぶりに夜咄でした。

 

ろうそくの灯のゆらめきの中で、夜長を楽しみました。

 

写真を見ると、光が丸く広がっているのですね。

 

 

 

軸は「金烏急いで玉兎速やかに」

日(金烏)月(玉兎)は速やかに去ってしまう、月日のたつのは早いといった意味でしょうか。年末になると掛けたくなる言葉です。

 

汲出しは甘酒、前茶としてまず薄茶を差し上げます。水指は運び出さないので、勝手が違ってちょっと戸惑います。お客様もおもあいで。

 

 

向付は金目のかぶら蒸し。冬ならではの暖かいものにしました。

 

普段はろうそくの灯で過ごすことはないので、電気よりも暗いながらも心ときめくものがあります。

 

ろうそくに対する話題がつきないようでした。

 

 

和ろうそくは途中で芯を切らなければならないので、慣れない芯切りも最後は皆さんに順番に切っていただきました。

 

ろうそくと燭台は簡単なようで、ろうそくが傾いて蝋が流れたり、芯を切るとあたりに飛んだりと、なかなか思うようにはいかないものでした。

 

それでもろうそくの灯は、別世界へいざなってくれるようでした。

2017年11月14日

 

 

前回から中2日だったので、軸などはそのまま。

 

花は季節はずれとは思いましたが、きれいだったのでベルテッセン。

 

お客様は3人でしたので、ゆったりとしたお席になりました。スペースに余裕があるので、折敷の代わりに脚付きの横長のお盆を使いました。でも写真では折敷のように見えてしまいますが。

 

主菓子は季節感たっぷりの紅葉、干菓子はこれも季節の霜柱と常盤木です。

2017年11月11日

 

軸は「露堂々」

 

「明歴々露堂々」の後半部分のみ。

 

忙しいスケジュールをやりくりして、直前に参加表明をしてくれた方もいて、嬉しいことです。

 

 

 

お酒のお好きなお客様で、お酒がはかどりました。昼間のお酒は一段と美味しい?

 

煮物碗は牡蛎の真薯、レシピを見てこわごわ作ってみました。

 

うさぎの会にも来てくださった嘉本ゆり子さんにお願いしていた仕服が出来上がりました。お願いした後お子さんの出産もあり、大変な中で作っていただきました。

 

糸から染めて織り、縫い上げるまでおひとりでなさっています。

 

 

 

左が表、右が裏ですが、裏側の方を表にしたい・・

 

 

左上が表、中の黄色は玉ねぎで染めたそうです。下は裏側、写真では分かりにくいですが、白い絣の中の経糸はそれぞれ色が異なります。とても手のこんだ作品です。

 

暖かい家の中から外降る雪を見ている「雪見月」という言葉からイメージした織物だそうです。直接作家からいろいろ詳しいお話を伺うと、一段と愛着がわきます。

 

2017年10月22日

 

 

今回は5人まとまってでのお申込みでした。

 

前回と日にちが近かったので、重複する部分もあります。軸も同じ「茶は知己に逢いて喫す」です。

 

花は嵯峨菊、敷板は今年の夏、小岩井農場で求めた板にニスを塗ったものです。

 

向付は締めさばのおろし和え、煮物碗は豆腐の湯葉巻きです。

 

同じところでお茶を学び始めた方々で、まだ盆点が終わったばかりとおっしゃっていましたが、なかなか熱心なようです。一生懸命ににメモをとられていましたが、お流儀が違うのでどこまでお役にたてたでしょうか。

 

薄茶は皆さんが交代で点てながら、いろいろ勉強されていましたので、すっかりお任せしました。私は楽をしてしまいました。

 

翌日にはさっそく次回のご予約をいただきました。

楽しんでいただけて良かった!

2017年10月19日

 

10月は名残りの月。だんだん寒くなってくるので、風炉を少しお客様に近づけます。

 

10月ならではの中置にしてみました。

 

花も何種も取り合わせて残花といいます。

 

花の季節の名残りを惜しむのですね。

 

お客様は3名でしたので、ゆったり過ごすことができました。3人ともネコを飼っているそうで、懐石中はネコの話題で盛り上がったようです。私もネコ派なのですが、話があまり聞けなかったのが残念でした。

 

向付は締めさばのおろし和え、汁はカボチャ麩。普段は見かけないように思いますが、ハロウィンが近いからでしょうか。

 

箸洗いはむかごです。

 

熱心な方がいらして、懐石の手順について本を見つつ確認しながら進めました。いつも適当なので、良い機会でした。流儀による違いなども少し分かったかもしれません。

 

 

香合は砧。

 

鳴子の模様で秋らしい。

 

主菓子は栗きんとん。

 

人数が少ないので、中海の茶入れを使いました。中海はお茶を振り出さず、すべて茶杓ですくいだします。大勢だと途中でわからなくなりそうです。

 

薄茶のお菓子は干し柿の中に白あんが入っているというもの。

 

薄器は「まがき」写しの根来風の細棗です。「まがき」は畠山美術館所蔵らしい。

2017年10月9日

 

2年間で茶事ができることを目指して、鋭意修行中の方のお点前。

 

海外出張も多いサラリーマンながら、良き師との出会いと良き友人のサポートを得て修行中。なかなかの進歩です。

 

初めてのお茶との出会いが3年くらい前のうさぎの会でした。

 

長足の進歩です。

 

10月は名残りの月、残花の季節ですが、なかなか花がそろわず、ちょっと寂しいことに。この日は爽やかな秋晴れで、まさに清風来るというような日でした。

 

秋も深まってきましたので、向付は締めさばのおろし和え、煮物碗は鶏団子の白玉包み。これは雑誌で見てよさそうだと試してみたらうまくいったのですが、当日は白玉が柔らかすぎたらしく大失敗。菊花をちらして何とか繕いました。

 

八寸は牡蛎の燻製とチーズ味醂。森口漬けのお店のこのチーズは毎回好評。最近は同じような商品がいろいろ出ているようですので、今度試してみましょう。

 

 

主菓子は中津川松月堂の栗きんとん。季節ですね。

 

薄茶のお菓子は松江松月堂の松垣と讃岐の和三盆。

 

東京は居ながらにして各地のお菓子をいただくことができます。

 

 

 

今回もこのホームページから申し込んでくださった方がおいでになりました。

 

ありがたいことです。

 

終わってから仲良し男子2人組は片付けを手伝ってくれました。

 

2年後の茶事を目指す一人はお点前がやりたいということでしたので、薄茶を点ててもらいました。始めてまだ10カ月くらいですが、見事なものです。忙しいなかでも本人のやる気次第だということを感じます。

 

ちょっと背中が丸いですね。体の使い方をちょっとお伝えし、最初はなかなか伝わりませんでしたが、相棒の理解が早く、ふたりでああだこうだと言っているうちに会得されました。友人の強力なサポートも、早期上達につながったことは間違いないと思います。今度は姿勢よくできるはずです。

 

お茶は静の中に動があります。そんなことまで伝えられる機会があるとは思いませんでした。

 

最初のお茶事には呼んでいただけるようなので、来年が楽しみです。

 

2017年9月20日

 

今回もホームページを見て来て下さった方が二人ありました。

お一人は我が家から徒歩圏内とのことでびっくり。

 

色々な方に少しずつ広がって嬉しいですね。

 

  

 不順なお天気だった夏も終わり、実りの秋です。20日は彼岸の入りとなりました。

 

軸は「平常心是道」花はリンドウと吾亦紅、白い花は洋花です(名前が難しくて覚えられない)。

 

向付の備前のお皿は、牡丹餅が月のように、火襷がススキのように感じられました。

 

秋の味覚サツマイモの汁です。

お茶を習っていても、お茶事の機会がない、先生がご高齢で、最近はやっていただけない、お料理屋さんでの本懐石は料金が高いなどなど、なかなか懐石を楽しむことが難しいというお悩みを伺って、うさぎの会も多少お役にたっているとうれしいかな、と思いました。

 

 

うさぎの会は勉強会ではなく、流儀も様々な方がいらっしゃいますが、基本的なやり方はお伝えすることもあります。

そのほうが慣れない方はやりやすいというのもあるようです。

 

それでも何回やっても良く分からない千鳥の盃のやりとり。ついにはアンチョコも登場です。

 

賑やかな懐石が終わって、炭点前。風炉の時期は3本の丸毬打で懐石を終わらせ、炭点前で炭をつぐのがお約束です。

 

でもうさぎの会は懐石中の話が弾むのと、亭主の不手際でとても火がもちません。以前は中立の時にお釜のお湯を沸かすことが多かったのですが、最近はあきらめて、最初もたくさん炭を入れ、なおかつ懐石の途中で炭を足すということに。

 

主菓子は里の秋、干菓子はふのやきと栗の甘露煮。お客様のおかげで、今日も楽しく終わることができました。

2017年8月16日

 

今回は初めての方が3人もいらしてくださいました。そのうちのお一人はこのホームページからのお申込みでした。

 

たくさんの新しい出会いをいただいたので、「一期一会」の色紙をかけました。

 

花はブルースター。お客さまが6人と多かったので、軸は釜の外側という変則にしました。

 

床の間がないので、こういう時は自由自在。

ベジタリアンの方がいらしたので、精進風(かつおだしは使って)にしてみました。ご本人は気にしないでくださいということでしたが、良い機会だと思ってやってみました。結論、生ものがないので、前日の買い物が楽ちんでした。

 

向付は我が家の夏の定番、胡麻豆腐もどき、煮物碗はレンコン餅、焼き物は豆腐と大和芋のかば焼き風など。

 

替えの飯器を持ち出した時、おつけしましょうか、と言ったら、お詰から「私がやりましょう」とのお申し出。ありがたくお願いしました。いいですねえ、こういう気遣い。形にはとらわれないお茶の心(本人は意識ないと思いますが)。

 

 

主菓子は玉すだれ。菓子切のない方のために黒文字をたくさんつけました。

 

茶入れは浅井竜介さん、仕服はうちにも何回か来て下さった嘉本ゆり子さん。

 

最後にお茶は初めてという方に、お茶を点てていただきました。

 

初めての方は前かがみになってしまう方が多いのですが、ヨガのインストラクターのお二人は背中がピンとして姿勢がきれい。正客がひとつひとつの動作を教えてくださいました。お茶を点てる友人の姿を撮影したり、楽しんでいただけたでしょうか。

 

そして自分で点てたお茶を自分で召し上がっていただきました。お味はどうだったでしょうか。

2017年7月17日

 

東京はこの夏初の猛暑日となりました。

 

軸は大網和尚の「淀の川舟」

 

 引く人も引かるる人も水の泡の

   浮き世なりけり 淀の川舟

 

冷たい抹茶が飲んでみたい、との要望があったので、薄茶は冷水点てに。

水指に氷水を入れるので、棚を使うことにしました。茶道学会の前会長のお好みの仙翁棚。仙翁会長も5月に亡くなりました。

 

 

猛暑日にも関わらず、うさぎの会ですから、とうさぎの柄のお着物でいらしてくださった方も。

 

ベテランのお茶人は談笑しながらも組んだ手が美しいです。

 

なかなかお時間が合わなくてやっと来ていただいた方は、暑い中、「季節はちょっと違うけど」とおっしゃりながら、うさぎの柄の着物をわざわざお召しになって来てくださいました。そんなお気遣いしていただき、嬉しいですね。

 

 

お料理はいつものことですが、家庭料理の延長です。玉子豆腐にイクラをのせ、切り落としのアナゴの塩煮。焼き物はイワシ。私は小さいイカを見ると煮たくなるのですが、ちょうど売っていたので予定外のイカの煮物も。八寸はスイカのかまぼこ。食べればただのかまぼこですが、見た目が楽しい。

 

席中でもお客様同士のお話がはずみ、和やかに。

 

話題の豊富な方々の、様々なお話が楽しいのがうさぎの会です。お客様からサロンのような雰囲気ですね、というお言葉をいただきました。

 

主菓子は鶴屋八幡の夏桃、お茶碗は伊賀でした。(伊羅保と言ってしまいました、すみません) 茶入れは京焼(桶谷定一)、茶杓は山崎如悦、銘は「偈」。

 

古帛紗が元気良すぎで広がっています(*_*;

 

干菓子はお茶用にはちょっと大きいけれど、夏らしい団扇。私のお気に入りの盛岡の竹芳です。

 

薄茶は冷水点てで。冷茶用のフリーズドライの抹茶というのを初めて使いました。サラサラした細かい粒子で、篩う必要もないそうです。でもなかなか泡は点ちません。抹茶ドリンクという感じでした。2服目以降はお好みで冷茶と暖かい普通のお薄とお客様のご希望でお点てしました。

 

四角いガラスの薄器を使ったので、中のお茶がピラミッド型にきれいに透けて見えたのですが、写真を撮り忘れました。これにアルミの茶杓(稲垣大)を合わせました。