2019年前半の日々

2019年6月4日

 

いつもいらして下さるお客様が、うさぎの会で出会った方をお招きしてお茶事をなさいました。

 

「茶は知己に逢いて喫す」お茶は親しい友と飲もう、と、本日の趣旨にふさわしいと思い、この色紙をかけました。

 

花はブルーファンタジー、炭点前はなさらないので鳥の香合を飾りました。

 

お客さまはベテランのお茶人と、お茶はなさらないけれど、うさぎの会でご亭主と墓友であることが分かった方でした。

 

お出汁から味噌汁の辛子までご自宅で準備された大荷物をお持ちになりました。品数も

多く、とてもたっぷりとご用意されて、準備のテーブルはどこかの料理店の厨房のようでした。

 

お腹いっぱい頂いてしまいました。

 

 

お酒も丹後のご友人からのお取り寄せ、お菓子も京都で買われたものとか、ご亭主の意気込みが感じられます。

 

主菓子は青梅、干菓子は京都の百かわの打ち菓子と金沢の琥珀。

茶器は桶谷常一の京焼、濃茶茶碗は加藤宇助の伊羅保釉の平茶碗。

薄茶はお正客が不白流の方でしたので、不白流ゆかりの尾戸焼きのお茶碗をお出ししました。

 

 

お茶事がしたくてお茶事をなさる先生を探して学び始めたご亭主。

意欲的な姿に刺激をうけた一日でした。

 

2019年6月2日

 

この日は初めていらして下さった方々、お久しぶりの方々と、狭い我が家に8人ものお客さまとなってしまいました。

 

良く来て下さる方に、亭主と水屋を一緒にしていただきました。

 

また多くの新しい出会いがあると思いましたので、「一期一会」の色紙、書かれたのは書家です。花は季節の紅花・

 

部屋が狭いので、変則で釜の外側に飾りました。

 

向付はこの時期には定番の胡麻豆腐もどきですが、今回は松の実がたくさんあったのでペースト状にして、すりごまの代わりに入れてみました。かなり濃厚な感じでした。

 

煮物椀もこの時期よくやる焼き鮎のお椀。鮎のほろ苦さがお出しにでますが、いかがだったでしょうか。

 

 

主菓子は青梅、人数が多かったので濃茶は重ね茶碗で。万古の佐藤友宣の萩、瀬戸の加藤宇介.

 

 

お薄はお客さまに交代で点てていただきました。薄器は魚野自醒の黒捻菊唐草吹雪。黒地に同じく黒で浮き彫りのようになっているので、光の加減で文様が見えます。

 

2019年5月21日

 

台風なみの大雨、強風の中、お客さまは約束にたがわず来て下さいました。お茶人はすごいですね。雨にも負けず風にも負けず・・です。

 

今回は不白流の酒豪の皆様がお客さま。お久しぶりの懐かしい方にもお越しいただきました。

 

 

前回と日が近いので、内容は重なる部分が多かったです。不白流は高知が盛んで、高知藩のお庭焼きだった尾戸(おど)焼きを使われることも多いそうです。尾戸焼きは名前は知っていましたが、偶然骨董市で見つけて2、3年前に手に入れていました。小ぶりなので江戸末から明治にかけてのころのものだと思います。松竹梅の絵柄も特徴らしい。

 

 

向付は季節のカツオ、煮物椀は蓮根餅、鶏ひき肉入り高野豆腐とアスパラ、最後の一品が山形で求めた干したカタクリの酢の物。乾燥のカタクリは初めてでした。干した状態では黒いのですが、戻すと葉の緑や花の紫色が蘇ってきました。そろそろ蒸し暑くなってきたので、冷酒をリキュール用(多分)のボトルに入れてお出ししました。

 

 

高知にちなんだお酒「美丈夫」と尾戸焼きのお茶碗、カツオのタタキと不白流とも縁の深い高知にちなんだものとなりました。

 

八寸の海のものは、神津島のお土産で「あま」のみりん干し。この「あま」とは何かよく分かりませんでした。アマダイ?

 

 

濃茶器は青織部、茶杓はシモオデザイン、濃茶茶碗は万古の萩風。

干菓子は大徳寺納豆の入った紫野、姫虎白(ひめこはく)でした。薄茶のお茶碗はもちろん尾戸。不白流とのつながりを教えていただきました。

 

 

お足元の悪い中、おいでいただきありがとうございました。お帰りの頃には雨も上がってきて良かったです。これに懲りずにまた来てくださいませ。

2019年5月15日

 

 

軸は大徳寺聚光院の雪山和尚の円相。

 

円相ですが隣に「我に似る」との文字が。この円相はお頭も表しているようです。

 

花は芍薬。

 

5月は初風炉の季節ですが、うさぎの会は一年中風炉ですので、初風炉の爽やかさ、明るさなどは感じにくいことと思います。

 

以前いらした方が、仙台からのお友達をお連れくださいました。「妊娠しているからお酒が頂けないのが残念」と仰っていましたが、最初の一献に山形の「月山」をお出ししたら、「私のベスト3に入るお酒」と喜んでいただき、その後盃が進んでしまったようです(^^) 

 

向付はかつおのたたき、汁は巻湯葉です。煮物椀は蓮根餅。

 

 

主菓子はわらび饅頭、干菓子は黒豆ときな粉とチョコレートの打ち菓子のようなもの、花虎白(はなこはく)。

 

仙台からのお客さまはお茶はなさらない方でしたが、お薄を点ててみますということに。ほかのお客さまが手とり足とり教えてくださって、無事美味しく点ちました。

 

2019年4月21日

 

軸は「時々勤めて払拭す」

 

お茶では茶入や茶杓を袱紗で清めたり、羽で釜の塵を払ったりしますが、道具だけでなく、心の塵も常に払うことが必要ということでしょう。

 

花はシラン、香合は炭道具の柄の物。

 

手焙りにもなる火鉢を使ったので、大板を使いました。板が大きいので中置きになってしまいましたが、水指は通常通り客付きにおきました。

 

桜も終わって春本番。春の食材がいろいろ出てきました。向付はホタルイカの酢味噌和え、味噌汁はウド、煮物椀はシラウオ豆腐とコゴミ、強肴にタケノコなど、春を感じていただけたでしょうか。

 

 

今年の1月からお茶を始めて、楽したくて仕方がないといった感じのお客様。毎朝薄茶を点て、お点前のビデオも毎日10分みているという熱心さ。

 

お点前してみる?言いましたら、やりたいですという元気なお返事。でも1月からなので風炉はやったことがない、ナビをしてもらえばできます、ということで、同じお流儀の方がしっかりサポート。

 

こういうのはうさぎの会ならではですね。皆様ありがとうございました。

 

 

主菓子は藤、薄茶のお菓子は先日ネパールに行った時に買ったお菓子ですが、良くみたらインドのお菓子でした。崩れやすいので銘々皿で。

 

2019年2月11日

 

掛物は一期一会の色紙。この日のお客様は全員検索などでうさぎの会を見つけて来てくださった方々で、私のもともとの知り合いの方はいらっしゃいませんでした。そして皆さん2回以上来てくださっていて、本当にありがたいことと思います。

 

お茶のおかげで新しい出会いが広がりました。

 

 

いつものお客様にご亭主体験をしていただきました。亭主はいろいろ問答がありますが、お正客から時々アドバイス(それは正客が言うのよ)などもあり、笑いの絶えないなごやかな席となりました。

 

向付はカキの香り酢、カキの時期には毎回登場する我が家の定番です。

 

 

主菓子は椿餅、中立の間も楽しそうなお話が続きます。ひとりの方の先生が7月にお茶会をなさるとのこと、皆で伺いましょうとまた盛り上がりました。

 

 

 

いつの間にか撮られた後ろ姿、踵をちゃんとつけていて良かったわ。うっかりしてしまいそうです。

 

干菓子は干支のイノシシとひな祭りが近いので3色の羽二重餅です。

 

ご亭主を務めてくださった方から過分なお言葉を。

 

「本日はどうもありがとうございました。

万全のバックアップのうえ、貴重な亭主役体験させていただき、楽しかったです。心より感謝しています。

お点前もまだまだと実感、これからのお稽古に気合いが入ります。

裏方も体験できて、嬉しかったです。

本当にありがとうございました。」

 

「亭主7分の楽しみ」と申します。お客様も楽しいけど亭主はずっと楽しい。多くの方にたくさん体験していただきたいと思っています。

 

2019年1月19日

 

1月のうさぎの会は久しぶりに来てくださった方々がいらして、お客様が7人になりました。そこでお一人には半東をお願いして、席中は6人で。

 

風炉先は百人一首が書かれたものです。

 

歌を知っていると、よみにくいかな文字もそれなりに読めるものです。

 

軸は「一年三百六十五日」

 

万人に等しく与えられた三百六十五日を有意義に過ごしたいものです。中回しには古い暦が使われています。

 

 

花は菊(マム)、サンダーソニア、そして茎が十文字に出ている不思議な形のセダム(グリーンアップル)、花入れは焼き締め、敷板は黄楊です。

 

 

向付はマグロ、煮物椀は百合根や干し貝柱の卵豆腐、これはご好評をいただきましたが、適当に作っているので再現はできないと思います(^_^;) お年玉でしょう。

 

 

 

主菓子は「この花」(梅)。茶碗は加藤瞬陶、茶入は浅井竜介、茶杓は太玄和尚の「一期一会」、仕服はただいま子育て中の嘉本さん。人数が多かったので濃茶は2回に分けて。

 

 

薄茶のお菓子は「雪うさぎ」と栗のお菓子でした。

 

怪我の後遺症で思うように手が動きませんので、薄茶はお客様に点てていただきました。

お茶は習っていないけどやってみたいというお申し出もあり、交代でお願いしました。

 

今回は半東さんに手伝っていただいた割には手順が悪く、てんやわんやとなってしまいました。でも洗い物も次々にしていただき、助かりました。

 

いつもお客様に助けられて続いているうさぎの会です。ありがとうございました。