2020年2月24日
ひな祭りも近くなりましたが、世間ではコロナウイルス騒ぎで、各種イベントの中止や美術館の閉館が行われています。
お茶会でも濃茶の飲みまわしや千鳥の盃の自粛がトレンドで、うさぎの会も長いものに巻かれて、そのようにいたしました。
遠方からのお客様は東京の人混みが不安と欠席の連絡もいただきました。
早くおさまって欲しいものです。
今回はKさんにご亭主をお願いしました。焼物や預け鉢は取り箸をつけるからコロナとは関係なさそうなのですが、今回は一人分ずつ盛り合わせました。とはいうものの後半は息切れし、八寸や漬物は従来通りでした。
ひな祭りが近いので、向付はホタテ、煮物椀は小粒のハマグリを入れた玉子豆腐です。菜の花を入れるのを忘れてしまいました。残念。進鉢としてレンコン餅、合鴨ロースの紅茶煮、サトイモなど、もう1品、春らしくウドとわかめの酢味噌和えです。
八寸は小さな昆布巻きと、生ハムをはさんだ大根です。
主菓子は桜餅。
濃茶は一人ずつ練りましたが、一人分の濃茶はなかなか上手に練れませんので、小ぶりのお茶碗を使ってみました。
点前座の他に水屋でも練ってお出ししました。
コロナ騒動が早く丸く収まることを願って、軸は円相、花はルピナス、和名は上り藤というそうです。炭点前を省略したので、鳥の香合を飾りました。春を告げる鳥でしょうか。
最後にお正客にお薄を点てていただいて、ご亭主に差し上げました。
正客を務めて下さったKさんは、社中では正客をする機会がないので、すごく嬉しかったと言ってくださいました。うさぎの会では正客でも亭主でも半東でも、なんでも体験してみてください。お客さまだけでは見えないものが見えてくるはずです。
2020年1月22日
新年のうさぎの会は、おなじみのお客様ばかり3人でしたので、私も席に入りました。一度に持ち出してしまう半ば点心のような形になりました。
軸は河東碧梧桐の自由律俳句の扇面。「双六の下の用ある手紙」
双六なので、いつもお正月に使っています。そうはいっても、最近はお正月に双六で遊ぶこともないように思いますが。
ご飯も1回にしてしまったので、なんだか大盛りに。汁はお雑煮、煮物椀はタラのお鍋風に。一度に全部持ちだしてしまい、お話の輪に入れていただきました。
香合は杉生地。箱に「華甲の記念に」とあり、どなたかの還暦のお祝いの時のもののようです。
華甲の「華」には十が6つと一があるとのことで還暦(61歳)、甲は甲子(きのえね)で十干十二支の最初、生まれた時の十干十二支が再びやってくるということ。現在では還暦は60歳のことが多いようです。今年は子年、十二支の初めの年でもあります。
主菓子は梅花、後座の花はペーパーホワイト、水仙の仲間です。
小さくて普段はなかなか出番のなかった砥部の水指を使いました。茶入れも信楽の中海、茶碗は中村康平の粉引き、茶杓は山崎如悦作瑞鷹、茶杓よりも筒の胡麻が鷹の羽を思わせます。
薄茶のお菓子は人気の「大吟醸ぽっ」盛岡の竹芳の酒粕入りの冬限定のお菓子です。もう一種も竹芳の子年にちなんだ干菓子。薄茶はまたお客様に交代で点てていただきました。