2018年後半の日々

2018年12月29日

 

今年最後のうさぎの会は御用納めも終わった12月29日に行いました。

 

夜咄風に夕方からでしたので、我が家から夕日が沈んだ富士山を見ていただくこともできました。

 

当日の様子はこちらへ。

 

軸は「金烏急いで玉兎速やかに」

 

金烏は太陽、玉兎は月を表し、日月の過ぎるのは早い、という意味で、年末になるとこの1年の過ぎ去る速さを感じてかけたくなります。

 

日月はどんどん過ぎ去っていくので、心して過ごさねばという自戒も込めて。

 

今回は炭点前は省略するので、香合を飾りました。

 

合田富康という昭和の金工作家の銀の鳥。

 

汲出しは玄米の甘酒。

夜咄では熱向うなどをよくしますが、まだ包丁が思うように使えないのでタイの昆布締め。煮物椀はちょっと中華風で、最近気に入っている干し海老のスープに、アスターのエビ団子、寒いのでちょっととろみをつけたものにしてみました。

 

 

事前にお客様からお手伝いしましょうか、とのお言葉をいただいて、それに甘えて薄茶はお願いしました。棗の蓋をとるとき、茶杓を握りこむことができないのです。

 

主菓子は山茶花、干菓子は来年の干支のイノシシと琥珀の柚子。

 

 

うさぎの会では続き薄はほとんどしないのですが、夜咄は続き薄がお約束のようで、試みましたが分からないことだらけ。テキストを引っ張り出してああでもない、こうでもないとやってみましたが、ついに手燭の扱いが分からないままでした。

 

今年も無事に終わることができました。いろいろ助けていただいたお客様のおかげです。

懲りずに繰り返し来ていただけたこともありがたいことでした。

 

お客様あってこそのお茶ということを改めて感じます。ありがとうございました。

 

2018年12月24日

 

12月のうさぎの会はクリスマスイブとなりました。

 

ろうそくの炎が揺らめいて、いつもの部屋もすかり雰囲気が変わり、壁に写る影もまた趣のあるものでした。

 

当日の様子はこちらへ。

 

 

 

 

 

10月の骨折で5週間ギプスをしていたので、右手がすっかり動かなくなりました。リハビリ中ですが、包丁が満足に使えず、出来合いのものも多くなってしまいました。八寸の箸の上下を返すような動作もできず、途中から急遽お客様が代わってくださいました。

 

 

主菓子は聖夜、干菓子はクリスマスツリーのように組み合わせ、白い金平糖の雪を降らせて。

 

濃茶はなんとか練ることはできましたが、薄茶はお客様に交代で点てていただきました。

 

 

前月に引き続き、お客様に助けていただいた会でした。お客様のおかげで、休むことなく続けることができ、ありがたいことでした。

 

2018年11月11日

 

 不覚にも私は手首を骨折し、お茶を点てることも着物を着ることもできなくなりました。

 

そこでいつもうさぎの会に来てくださっている方に亭主をお願いしました。

  

初めてのご亭主なので、市販のお弁当でと思いましたが、それでは味気ないからと、すべて手作りの点心となりました。

 

「普段料理はしないの」とおっしゃって、半月弁当の講習会に行ってそれをもとに見事な点心を作ってくださいました。

 

菊と春菊のご飯は彩りもきれいで、鮭、さつまいも、銀杏など秋の味覚が盛りだくさん。向付のタイの昆布じめにも紫の菊をのせて、秋のかおりがいっぱいです。

 

 

煮物椀は椎茸に真蒸をつめた手のこんだもの。

 

半月弁当の講習で習った通り、とおっしゃいますが、なかなかの出来栄えでした。

 

八寸は冷凍した卵黄を生ハムで巻いたものと、マレーシアのお土産の海苔の間にゴマがはさんであるスナックです。

 

 

軸は「平常心是道」 花は小菊。

 

主菓子は紅葉、干菓子は九州の寒菊、松江のお土産のホワイトチョコレートをコーティングした夏みかんのピール、新橋演舞場のお土産、といただきもの尽くし。

 

 

ご亭主のな感想は「楽しかった!」

 

「亭主7分の楽しみ」と言います。お客様より亭主の方がずっと楽しいですから、これからはいろいろな方に交代で亭主をやっていただくのも良いかもしれません。

 

2018年10月8日

 

 

10月は名残りの月。残花風に、ホトトギス、女郎花、小菊、吾亦紅、何かの赤い実、雪柳の照葉。

 

短冊は大綱和尚の和歌。

 

「言の葉の種やそへけん吹く風の

   こえ面白しわかの浦松」

 

今回はお着物好きが集まったようで、和服率が高かったです。

 

終わった後には簡単帯結びの講座も。

 

 

 

向付はホタテの炙りに海老、汁には菊花を散らして。煮物椀は吹き寄せ風に。

強肴はれんこん餅と里芋。こちらも秋の食材で。

 

八寸はフランスのお土産のカマンベールといわし美人。

 

 

主菓子は秋桜、濃茶は赤楽で。木菟という印のとなりに「写」と彫ってある不思議な茶碗です。

 

 

干菓子は和三盆と栗の渋皮煮。

 

 

お着物の皆さんの記念撮影。終わった後、事務用のクリップを使って、切らずに作り帯にする簡単な方法を教えていただきました。

 

そのあとも、筋トレの話題などお茶とは離れても話が弾みました。けっこう皆さん筋トレしてるんですね。お茶も体が資本ですね(^O^)

 

2018年9月16日

 

 

この日は岡山からおふたりお出でになりました。内容は12日とほぼ同じです。

 

花はこの時期に小さなかわいいテッセンがありました。

 

歌舞伎がお好きで観劇のために東京にいらして、そのついでにお寄りいただきました。

アクティブだなあ。

 

他の方も歌舞伎繋がりのようで、お話も盛り上がったようです。

 

2018年9月12日

 

 

今月もゆったりとしたお席となりました。

 

 

軸は大網和尚の辞世の句だそうです。

 

 淀の川舟

 

引く人も引かるる人もうたかたの

  浮世なりけり淀の川舟

 

秋になってちょっぴり無常を感じる軸でした。

 

花はリンドウ、吾亦紅、ケイトウ。

 

 

 

汁はさつまいも、クチナシをいれたわけでもないのに鮮やかな黄色で、中秋の名月を思わせる色でした。とはいってもこの日はまだ新月から2日目くらいでしたが。

 

煮物椀はれんこん餅、焼き物は良いカジキが手に入ったので幽庵に。おかげさまで喜んでいただけました。器は御菩薩(みぞろ)焼きです。

 

 

主菓子は「お月見」 うさぎが可愛い練り切りでした。

 

濃茶器は京焼、茶碗は万古の友宣の萩風、茶杓はMLのひでさんの「いつかまた」 久しぶりに使いましたが、お茶もすくいやすく、景色も面白いものでした。

 

干菓子は和三盆とラフランスのゼリー。薄器はこの時期ならではの秋の夜棗。光の加減で秋草が浮かび上がり、錫製の露があちこちに。

 

以前、棗にちょうど陽があたったら、美しい模様が畳に映りました。この日はあいにく曇っていたので、以前の写真を載せてみます。

 

 

2018年8月23日

 

8月は夕ざり風に、夕方からの会としました。計画したころは、そろそろ秋風が感じられるかとおもいましたが、今年の猛暑はまだまだ続いておりました。

 

久しぶりに小人数でゆったりとした席となりました。

 

 

 

色紙は「茶は知己に逢いて喫す」最近気に入ってよく使っています。花は孔雀草。茶花には使わないかもしれませんが、2色合わせてみたら爽やかな感じになりました。お菓子の入っていた籠に竹筒を入れて。

 

2人のお客様が、千葉と杉並と離れているのに、なんと墓所が一緒なことが分かりました。この日初めてお会いになったふたりが、一生(それ以後も?)のお付き合いとなるようです。こんなお茶のご縁もあるのですね。

 

 

 

向付はごまだれのお豆腐、煮物椀は枝豆しん薯、強肴はこんにゃく、鶏の丸、オクラ、八寸は卵黄の粕漬け、ムール貝の燻製でした。

 

懐石の途中から薄暗くなってきて、手燭を持ち出しました。ロウソクの炎は幻想的な雰囲気を醸し出します。

 

 

 

主菓子は水牡丹、お茶道具も普段出番のない小ぶりな茶器や水指を使いました。

小人数ならではのお道具でした。

 

7月は久しぶりに茶箱もやり、ここでも普段出番のない小さな茶碗をたくさん使うことができました。

 

道具はやはり使わないと、と思います。使える場となり良かったです。

2018年7月29日

 

この日はまったくお茶をなさらない方ばかり5人来てくださいました。いつもこられる方がお友達を誘ってくださったのです。

 

掛物は前回のより文字もわかりやすいと思って「茶は知己に逢いて喫す」にしました。

 

花は紫がティルフィニウム、白いのがオキシペタラム(ホワイトスター)、穂になっているのがベロニカだそうです。洋花ですが、お茶席にも似合うと思います。名前が難しいのが難点です。なるべく覚えようと花屋さんでメモしてきました。

 

 

7月初めにみんなで骨董市に行った時かったお皿とお茶碗をもってきてくださいました。

焼き物に使ったのですが、写真を撮り忘れたのでお皿だけ。幕末明治のものだそうです。

 

茶箱の薄茶は1椀だけなので、小ぶりのお茶碗と古袱紗を持ち出して、お好きなのを選んでいただきました。

 

主菓子はひまわり、東は鴨川の鮎、金魚。お菓子は前回とは違いました。

 

2018年7月26日

 

21日とほぼ同じ内容で行いました。

 

花は白いりんどう。

 

飾り付けは21日と同じです。

 

煮物椀は冬瓜のエビあんかけ、焼き物は出来合いでマグロのチャーシューでした。

 

 

 

前回、茶箱の濃茶を薄茶を続けるのはあまりよろしくないと思いましたが、とりあえず同じようにやってみました。

 

 

主菓子は芽吹屋の三色団子。薄器はシモオデザインのガラス、茶巾筒は長谷川潤子のカップ。これは15年くらい前に近代美術館の工芸館のショップで見て、茶巾筒になりそうだと思って求めたもの。やっと日の目を見ました。茶筅筒は岩渕裕二。茶箱の道具はなかなか出番がありません。

 

 

風炉先は道中図で、描かれているのはすべて鬼。作者はよくわからないと思っていましたが、お客様が調べてくださいました。無為虚風(為と風はパソコンではでない文字のようです)。これが風という字だとは思いませんでした。優しげな鬼がたくさん登場する本も書かれている方らしい。

 

   https://goo.gl/E4hRo9

 

 

ご自分が習った時のメモや本を見ながら、手順を確認しました。

 

ポルトガルのお土産にいただいたこんぺいとうを振出しに。こんぺいとはポルトガル語です。日本のものより柔らかく優しい味でした。

 

2018年7月21日

 

35度という猛暑の中、お客様に来ていただき、本当にありがたいことと思いました。

 

文字だけでも涼しげにと「清流間断無し」の色紙を掛けました。

 

花は黒ほうずきの実があったので、それに合わせて、ひまわりとリシマキア(虎の尾のような花)。

 

鉄瓶なので炭点前は略し、鳥の香合を飾りました。合田富康の銀製。

 

今回もホームページをご覧になった方が2名来てくださいました。お着物仲間とのことで、暑い中和服でお越しいただきました。

 

 

向付は我が家の夏の定番、胡麻豆腐もどき。豆腐とすりごまをミキサーにかけ、ゼラチンで固めるというお手軽なもの。

 

汁にはナスの生麩を添えました。

 

土用の丑の日だったので、うまきを、前日たまたまメロンをいただいたので、八寸に生ハムを巻いてお出ししました。

 

 

私の流儀では茶箱の濃茶がありますので、包み袱紗でお濃茶を。

 

お客様は5人でしたので、茶箱の茶碗でおふたりに、別のお茶碗を持ち出して3人様に差し上げました。