2018年前半の日々

2018年6月17日

 

 

今回は新しい方が2人来てくださったので、「一期一会」の色紙をかけまそた。

 

花はホワイトジュエル、クレマチスの一種だそうですが、つる性ではありませんでした。

 

花も小さくて可愛らしいので、籠に入れてみました。

添えはブルーファンタジア。いずれも洋風の花ですが、茶花になりそうな雰囲気でしたので、選びました。

 

6月末には半年の穢れを落とし、健康を願う夏越の祓い(なごしのはらい)が行われています。茅の輪をくぐり、邪気を払う小豆をのせた三角のお菓子「水無月」を食べました。三角は氷を表し、冬の氷を夏まで保存しておいて食べると健康になると考えられていたそうです。そんな贅沢は庶民はできないので、三角のお菓子で代用したのだそうです。

 

その水無月をイメージした小豆をのせた真薯が煮物椀です。

 

 

主菓子は徳島の小男鹿(さおしか)、先日淡路島に行ったときに求めました。和三盆も有名ですので、和三盆のポルボロを干菓子としました。小男鹿は表面の縞は鹿の背中の模様でしょうか。

 

今回は夏も近いので、結果的に青磁風のものばかりになってしまいました。

 

中国龍泉窯の水指、韓国志岩窯の象嵌の茶碗、一関人の平茶碗となりました。平茶碗は食器屋さんで見つけたものですので、現代日本ですね、きっと。

 

薄器は岩渕裕二さんの「まがき写し独楽棗」。畠山記念館所蔵のものに心惹かれて、何時間も眺めて作ったそうです。

 

その本歌が、「大名茶人松平不昧と天下の名物――雲州蔵帳の世界」に出ていました。並の部だそうです。不昧没後200年の畠山での展覧会でしたが、見に行った時にこれがあったので、裕二さんが言っていたのはこれか、と思ってしげしげ眺めました。後半のみの展示でしたので、出会えてラッキーでした。

 

明時代のもので、形は良く写されていましたが、塗りは写真のような根来風ではなく、渋い単色の赤でした。

 

遠州から不昧に渡ったもので、鉄刀木と桐の張り合わせの蓋の箱は遠州らしく、細縞間道と白地笹蔓緞子の片身替りの仕覆が添っていました。

 

ちょうどこのうさぎの会の日が展覧会の最終日でもありました。

 

2018年6月9日

 

9日のうさぎの会は、グループでのお申し出をいただいて行いました。

 

6人になりましたので、部屋が狭いので軸は4畳半の外側の位置に掛けました。

 

大徳寺雪山の円相。

 

花は芍薬ですが、気温が高い日だったので花がもつかヒヤヒヤしました。

 

お茶をなさらない方も多かったのですが、皆さんお着物でいらっしゃいました。

 

ユーチューブを見ながら着たそうです。

 

待合はリビングで。

 

向付は我が家の夏の定番、胡麻豆腐もどき。みそ汁は先日伺ったお茶事で出されたものを真似しました。青楓の生麩を厚く切ったもの。

 

煮物椀は鮎を使ったものですが、毎回好評なのでまた同じものに。

焼き物は魚の名前を忘れました。カタカナの聞いたことのないものでした。深海魚かな。

 

強肴はサクという秋田の山菜を使いました。水煮を売っていたので、珍しいと思いましたが、気に留めてくださったお客様がいらして良かったです。

 

 

濃茶の茶碗は赤津の伊賀釉と万古の萩風の茶碗との重ねで、薄茶は韓国の造顔と青磁の一関人。主菓子は落し文、干菓子は麸の焼きと干琥珀(貴船の彩)。

 

2018年5月20日

 

 

掛物は前回と同じ源高湛(森鴎外)の「天馬行空」 花は紅花、香合は炭道具が描かれたものです。

 

お客様が多かったので、変則で釜の左、四畳半外に飾りました。風炉との間に結界を置いてみましたが、けじめがついた感じで良かったです。

 

内容は5日前と同じものが多かったのですが、お客様が社会人1年生の息子さんを連れて来てくださいました。若い男性は少ないので、アイドル状態?

 

新入社員2か月目で、土日も勉強されているそうですが、時間を作って来てくれました。

 

 

主菓子は青梅、干菓子は金沢のレンコン餅ともりの音という寒天のお菓子。

 

息子さんに「お茶を点ててみる?」と聞くと「やりたいです」という積極的なお返事。

お正客がそばで手順を教えて下さいました。

 

後でききましたら、茶道にかかわる日本の伝統文化全般に興味を持たれたとのことでした。

 

2018年5月15日

 

掛物は源高湛(たかやす)とありますが、これは森鴎外の別名。もちろん本物ではなく印刷ですが、さわやかに晴れ渡った空を自由にはばたくイメージが、初夏にぴったり。

 

花は芍薬。朝は固いつぼみだったのが、みるみる開いて大輪の花となりました。

 

カツオのたたき、アユの煮物椀で季節を感じていただけたでしょうか。

 

強肴のキュウリとタコはすりつぶしたキウイで和えました。キウイだけで程よい酸味となりました。

 

 

お酒を召し上がらない方がお二人いらしたので、たまたま見つけたノンアルコール日本酒をお出ししてみましたが、不評でした。良く冷やしておけば飲みやすかったかもしれません。

 

 

瓶かけの感覚で真ん中に釜を置いてしまい中置に。濃茶器を飾り付ける段になって気づくという間抜けなことでした。

 

お客様が多かったので、軸を変則的なところにかけ、結界も道具畳の横に置いてみましたが、これも案外良かったと思います。

 

主菓子は牡丹。

 

釜は坂井直樹の打ち出し、お茶碗は粉引きと伊羅保釉の重ね茶碗で。

 

薄茶は途中から代わっていただき、初めての方にも点てていただきました。

2018年4月14日

 

前回から4日後なので、道具などは同じものも多くなりました。軸も同じです。

 

そして今回もまた、お客様にいろいろ手伝っていただきました。ありがとうございます。

 

向付はタイのコブ締め、煮物碗は前回同様タケノコ真薯でしたが、前回は1つずつ丸くしたのですが、形がうまくまとまらなかったので、流し缶で作って切り分けてみました。煮物碗にはちょっと小さいですが、古い松竹梅のものに変えました。

 

 

お正客はおみ足をいためられているので、椅子で。私も同病ですので、他所に伺った時何度も椅子のお世話になりました。小耳にはさんだ話ですが、座れないのが恥ずかしいとお茶をやめた方もいるらしい。恥ずかしいことではないのに・・と思ったことでした。

 

私が膝の手術を受けた時、ドクターは正座は難しいと言われましたが、お茶があるからこそあれこれやって、何とか座れるようになりました。

 

 

お預け徳利は先日手に入れた大橋秋二の黄瀬戸。陶芸家ではなく趣味で作り、売ることはせず、全てあげてしまったそうです。

 

底に貼花のある盃は小鹿田の作家のものです。

 

 

主菓子は富久屋の鈴蘭、茶器は浅井竜介さんの織部、茶杓は菱田賢二さん、仕服は嘉本ゆり子さんと現代作家のもの。嘉本さんはうさぎの会にも何度か来て下さいました。ただいま子育て中で作品制作にあまり時間がさけないようですが、将来が楽しみです。

 

 

干菓子は前回と同じ春の訪れと、大吟醸ぽっのお菓子屋さん竹芳の若むらさき。

棗は前志芸男の沈金、茶杓は山崎如悦の槐のもの、銘は蓬莱です。

道具は前回と同じでした。

今回も薄茶は途中からお客様にお願いしました。

 

2018年4月10日

 

今年は桜も早々に散ってしまい、爽やかな季節となりました。軸は爽やかな風を思わせる「清風脩竹を動かす」 高野山の秀海管長の書かれたもの。代々の管長のなかでも名筆の一人だそうです。

 

花は貝母、花入れは瀬戸の鶴首です。

 

向付は貝尽くし、煮物碗煮物碗はタケノコ真薯。強肴にはタラの芽やウドなど、春を感じる素材で。

 

今回もお運びを一部お客様にお願いしました。

 

 

不白流では千鳥の盃がないそうで、不白流の酒豪たちは「これが楽しいのにね」と残念がっていらっしゃいました。うさぎの会ではたっぷりどうぞ。

 

主菓子は富久屋の「春爛漫」、干菓子の一種は香川の和三盆の春の訪れ。先月のお客様が次回使って、と持ってきて下さったものです。土筆、イチゴ、桜、タケノコ、小鳥のヒナなど、こちらも春爛漫。そしてもう一種はこの冬最後の「大吟醸ぽっ」。人気のある我が家の冬の定番です。美味しいのはもちろん名前が可愛い。酒粕のはいった盛岡の冬のお菓子で、賞味期限も本日までという、本当にこの冬最後でした。

 

薄茶もお客様に交代で点てていただきました。不白流の袱紗捌きはちり打ちがあるのですが、そのたおやかなちり打ちに、個人的にはとても感銘を受けました。

 

 

 

当日のことをお客様がブログに紹介してくださいました。

 

  美容・茶道・そして猫だらけ

 

そうしたら盛岡のお友達から、地元でも話題になっているお菓子だというコメントがあったとのこと。ご縁が広がりますね。

 

  

2018年3月9日

 

 

前日は真冬の寒さでしたが、食材を買いに行くと、お店には早春の味がいっぱいでした。

 

軸も早春になるといつも掛けたい「春風門に入りて千花 觜を生ず」 春風の中、たくさんの花のつぼみが鳥のくちばしのように膨らんできたという様子を描いたものでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

早春といえばフキノトウ。汁にはフキノトウをちらしました。向付も春を告げるホタルイカ。煮物碗にもシラウオ入りの玉子豆腐、強肴も柔らかウドを使いました。

 

今回はいつもいらしてくださる方にお運びをお願いしました。おかげで私はとてみ楽チンでした。ありがとう。

 

 

 

いつも省略してしまう炭点前の時の風炉中拝見。お客様の「やりましょうよ」というお声で、やってみました。

 

お見せするような灰ではないのですが(*_*;

 

 

主菓子は「ハート」ホワイトデーを意識したようです。最近は上生菓子はどんどんデパートなどから追いやられて、寂しいかぎりです。

 

お菓子の全体の色も上に飾られた花も、春を感じます。

 

 

 

薄茶のお菓子は岩手の郷土菓子「しっとぎ」青大豆と米粉を練り合わせたもので、豆の味がしっかりする素朴なものでした。

 

もう一種はイチゴ味の和三盆です。

 

 

濃茶を練るときには、穂数の少ない荒穂の茶筅を使い、薄茶には数穂を使う流派と、その区別をしない流派があり、茶筅談義に花が咲きました。自分の流儀しか知らないと他流のお話が新鮮です。

 

薄茶は今回もお客様に点てていただきました。

 

2018年2月11日

 

今回は亭主の立ち居が不自由でしたので、お食事は点心でテーブル席に。と申し上げましたら、良かったあ、というお声が。

 

気持ちは分かります(^-^;

 

春というにはまだ遠いですが、菜飯にしてみました。

 

 

 

主菓子は盛岡竹芳の「織山路」という銘の竿もの。しっとりして美味しかったです。

 

いつも中立の時に過ごしていただく所で食事を差し上げましが、皆様お話が弾んで、なかなか中立のタイミングがとれませんでした。楽しんでいただけたら幸いです。

 

 

せめてお濃茶は練って差し上げたいと思い、なんとか。

 

軸は大徳寺 聚光院 雪山老師の円相。脇に「我に似る」とあり、お坊さんの頭のようにも見え、ユーモラス。花はニゲラと小手毬。私の着物は梅の総柄、昭和の初めのころのものだと思いますが、先生の妹さんからいただいたもの。

 

 

私は濃茶が精いっぱいでしたので、薄茶はお客様に交代で点てていただきました。

 

お菓子は我が家の冬の定番「大吟醸ぽっ」と可愛らしい立びな。いずれも盛岡のお菓子です。立びなは食べるのが惜しくて、ひな祭りまでとっておこう、というお客様も。

 

 

時には同じ流儀のお客様同士で点前を教えあったりして、和やかにすごしました。

 

お客様に助けられての一日でした。

2018年1月22日

 

始まるころからチラチラと雪が舞い始め、終わるころにはしっかり積もってしまった、数年ぶりの東京の大雪の日となってしまいました。

 

足元の悪い中6人の方に来ていただいたので、ちょっと窮屈。花台も小さくして脇に寄せました。

 

1月ももう下旬となり、あまりお正月らしいしつらえもありません。風炉先の百人一首くらいだったでしょうか。

 

向付はカキの香り酢かけ、カキのピカタにたっぷりの大根おろしという和洋折衷です。

 

汁に紅白の市松模様の生麩、普段は見かけず珍しいと思って使いました。煮物碗は蓮根餅です。

 

 

今回は一段とお酒の進むお客様でした。不白流の方がいらして、不白流についてもいろいろ教えていただきました。私も以前一度だけ不白流に呼んでいただいたことがありましたが、共通の知り合いであることを分かりました。不白流では千鳥の盃はなさらないそうです。「これが楽しいのに」と残念がっていらっしゃいました。

 

 

主菓子は「唐花梅」 お店の方は「からまつ」と読むとおっしゃいましたが、なぜ今「からまつ」? 二十四節季ごとにお菓子を変えるというこだわりがあるお店なので、蝋梅かしら。

 

とにかくお味に問題はありません。美味しくいただきました。

 

席を改め、濃茶に。6人なので2碗練りました。茶入れは青織部、茶碗は萩風の京焼と堅手。雪が一層激しくなりどんどん積もってきていましたので、続き薄に。お着物の方ももんぺ、長靴など万全のご用意。混みあわないうちにお帰りになられたようで一安心でした。